私が生きてこなかった人生

ためらわず踏み出してゆくわ

ツイートの隙間

観た舞台とか、映画とか、お出かけとか、その場でちょこちょこ呟いているつもりなのだけど、予定と予定を重ねていると「ここに行って楽しかったー!」みたいな1ツイートすらできないことがある。3〜4月はこれが結構重なってしまい、Twitterの隙間を埋めるためのブログがこれだ。

別にあとから報告したって良くてもTwitterは今を出力したいというか、勝手に140字を埋め出してしまうぐらい気持ちに鮮度がないと気分が乗らない。ちょっとした思い出の振り返り記録として、ツイートを遡ってもそこにない記憶を取っておきたいと思う。

 

東京都庭園美術館「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー

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東京都庭園美術館|交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー|2022年12月17日(土)–2023年3月5日(日)

 

この日はこのあとすぐ映画『BLUE GIANT』の4回目を観に行ったのでツイートできなかった。

初めての庭園美術館。お庭をぐるっと散策してから建物の中に入り、今回の企画展を見る。しかし何せ建物自体、室内装飾自体が目を見張るほど繊細で綺麗すぎて、展示品とどちらを見ればいいのか目が回る始末だった。庭園美術館そのものを味わう企画が今行われている「建物公開2023 邸宅の記憶」だそうで、初めての人はきっとこっちに行ったほうがいい。私ももう一回じっくり見に行こうと思います。

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企画展のお目当ては、1926年ごろに作られたというランバンのドレス「ローブ・ド・スティル」。『ルポァゾン』のプロローグのお衣装にカットが似ていて、装飾は羽のようで、写真を見たときから「絶対にきわちゃん(朝月希和さん)に着てほしい……!!」と思っていたのだ。実際生で見てみても軽やかで美しくてきわちゃんだった。去年の後半あたりからオートクチュールのドレスを見るのが好きで、ちょっとでも服飾に関連する展示はなるべく行ってみたいなと思っています。Dior展はどこかで当日券に並ぶよ。

 

堺 アルフォンス・ミュシャ館「Bon Voyage!ミュシャと巡る旅~」

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Bon Voyage!~ミュシャと巡る旅~|堺 アルフォンス・ミュシャ館

 

この日は星組赤と黒』の初日が15時開演で、早めに大阪に着いて行ってみた。普段なら間違いなくマチソワでチケットを取ってしまうし、宙組の11時公演と観ようにもうまく行かず、とっても珍しい大阪観光である(多いときは月に4回とか行くのに…!)。

fumi7july.hatenablog.com

 

この美術館はもちろん、ミュシャの作品も絵柄はわかる程度だったのだけど、商業デザイン、しかも舞台の公演ポスターから売れっ子になった人だと知ってびっくりした。そのあとも聖書を元にした挿絵本「主の祈り」や、故郷チェコの歴史を描いた「スラブ叙事詩」を作ったり、フリーメイソンの活動に従事したり、面白い生涯を辿った人なのだと興味深い。

これはシャンパンの「モエ・エ・シャンドン」広告ポスター

 

建築物のモチーフ部分やアクセサリーのデザインも行っているし、画家というよりデザイナーなのだと分かった。商品の宣伝広告を作る際にも、自分の作風に馴染ませるのが上手。勝手にあの柔らかく豊かな絵柄だけが一辺倒にミュシャのイメージを形成していたのだけれど、実際に近くで触れてみると想像以上に器用で、さらに意外なほど現実的だった。こういう「意外と〇〇だな……」に出会えると、観に行った価値があったなあと嬉しい。

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世界遺産仁徳天皇陵古墳 百舌鳥古墳群

ミュシャ館を出て、まだ思ったより『赤と黒』の開演まで時間があったので急遽行ったのがここ。Googleマップを開いてちょっと先に古墳があったら行くしかないだろう。

本来1駅で降りなきゃなのに、ぼけーっと相棒にLINEしながら電車に乗っていたら通り過ぎていて(しかも快速みたいな飛ばすやつだった)、慌てて数駅戻って辿り着いた百舌鳥駅。ぱらぱら小雨が降る中、5分ぐらいのんびり歩くとビジターセンターに到着する。

ここの8Kシアターがめちゃくちゃダイナミックで面白くって!!!!!! 訪れたら絶対に古墳の実物だけじゃなく観てくださいね、本当に!!!!!! 科博のシアター36〇とか好きな人、うっきうきになっちゃうと思う。百舌鳥古墳群を上から見下ろす躍動感がすごい。めっちゃ普通に市中にあってすごい。感動します。f:id:fumi7july:20230420092604j:image

 

さあ、テンションが上がってきたところでいざ、日本最大の前方後円墳にして世界遺産仁徳天皇陵」をどうぞ!

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いやデカすぎて全然わからんのかい! っていうのも面白かった。これは鍵穴の底辺の方向から見ている位置。ちょうど頭の方には三国ヶ丘駅があるので帰りはそこまで歩いてみたところ、縦も相当の長さだった。15分ぐらいかかった気がする。

実はうちの家の周りも古墳が多くて、存外身近に育ってきた気がするけれど、やっぱり同じお墓でも世界3大墳墓ってスケールが違うなと実感しました。

 

映画『SHE SAID』

この日は母と映画を観て、ご飯を食べて、帰ったらすぐに眠たくなってしまった。見届けるのも、咀嚼しながら感想を言葉にするのもかなり体力を使うストーリーなのである。

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映画『SHE SAID/シー・セッド その名を暴け』公式サイト

 

映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの性暴力事件。ハリウッドを揺るがし、#metoo運動の先駆けになった衝撃は記憶にも新しいだろう。この映画は告発のために奮闘するニューヨーク・タイムズの記者と、被害にあった女性達の話だ。記者本人が告発までの道筋を描いたノンフィクション小説を原作に、静かに淡々と事件と向き合うような2時間15分はかなり堪えるものがある。

何も知らないまま映画館に向かう私に着いてきてだけの母は、終演後に館内の説明パネルを読んで、「あの『英国王のスピーチ』を作った人なんだ。知らなかった。」とショックを受けていた。私も『CHICAGO』なんて何回も観たし、『ユージュアル・サスペクツ』や『ベイビー・ドライバー』で大好きだったのに性犯罪で告発され世に出て来られなくなった俳優、ケヴィン・スペイシーの顔が浮かんでズーンと沈んだ気持ちになる。

全く別のところで聞いた話だが、最近は主に演劇関係者向けにとハラスメント対策のオンライン講座を開くと、なんと参加者の2〜3割は観客らしい。「過去に好きな劇団でハラスメントがあり、観ていた作品でそんなことがあったなんて…」とか、「誰かが裏で悲しんでいる作品は応援できないから、そういったことがない団体を見分けるにはどうしたら良いんでしょう?」とか、そういった理由からまず学んでみたいと申し込みがあるという。

実際、観客の立場だってとても他人事ではない。それを改めて考えるためにも、この映画を通して体感できることは多いにあると思う。

 

予想外にかなり長くなってきましたが、あと2つ続くよ……!

 

星組『Stella Voice』

宙組カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』

相棒とムラに遠征するとずっと喋ってるから大体ツイートできない。

このときは宙組カジノ・ロワイヤル ~我が名はボンド~』と合わせて観に行って、ステラボイスは1列目、カジロワはSS3列目というハイパーミラクルな2日間でした。


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「007になっているんですよ」とお姉さんに教えてもらって大盛り上がりだった鴨

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直前に観た星組の全国ツアー『バレンシアの熱い花/パッション・ダムール・アゲイン!』もそうなのだけど、瀬央さん(瀬央ゆりあさん)、しどぴ(紫藤りゅうさん)、ぴー(天華えまさん)の活躍がほんっとに嬉しくて! 宙組に組み替えされたしどぴも含めて、私の最初に好きになった宝塚、星組、そして初恋のご贔屓・北翔海莉さんの大劇場3部作で新公主演してくれた御三方ですよ!!

瀬央さんの大羽、しどぴの男役ラストステージ、ぴーのバウ主演。なんて立派になられたのだと感動でプルプルする。泊まっていた帝国ホテル大阪の部屋で『ロマンス!』を再生して、「うわ〜〜ローラースケートギャルゥ〜〜〜!!!!」「せおしど若っ!! かわいい〜〜!」とか懐かしんでた気持ちを想像してみてくださいよ。泣いちゃうだろ。

 

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星組公演 『Stella Voice』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

ステラボイスは幕開きでぴーが真ん中0番を張ってる姿からボロ泣きで、「街灯によりかかって」を歌われたときには更にかっぴらいてる目から滝のように涙が出た。大好きなぴーのずっとずっと夢だったミーマイのビルが叶う瞬間を観られた感動もそうだし、それ以上に何度も勝手に想像していたぴーのビルを遥かに上回る名演だったことにも泣いている気がした。1曲歌うだけで名演ってあるんですよ。ほんとにすごいものを観せてくれた。

瀬央さんのことはツイートしちゃったし、渋カッコいいお兄様として完成されたしどぴの勇姿はこれからまだ東京でも観られるのでこのあたりにしますが、なんだか本当に7〜8年が経って一区切りだなあ。102期ちゃんのたちの「ロマンス!」まつりもびっくりでした。贔屓の星組で初舞台を踏んでくれた102期ちゃんが、贔屓の退団公演の主題歌を同じタイミングの2公演で歌ってくれるってそうそうない出来事よ。

 

シティーハンター in 墓場の画廊 都会のシンデレラ編 POP UP STORE

この日はナショナル・シアター・ライブ『るつぼ』を観た邪念でもやもやしていてツイートできなかった。でもお店にいる間は、存分に楽しんだので安心して欲しい。

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【シティーハンター in 墓場の画廊 都会のシンデレラ編 POP UP STORE】

 

は〜〜い!! りょかおってなんてロマンス〜〜!!!! さききわちゃん(彩風咲奈さんと朝月希和さん)の雪組公演から相も変わらず大好きで、今年の映画もウッキウキで待ってるシテハン。特にこの「都会のシンデレラ」後半回はジャンプで連載とは嘘つけ! と言いたくなるぐらい大真面目にときめきロマンスしてるので本当にすごい。

ぶっちゃけ何しててもロマンスなのが獠と香のすごいところなんだけど、ひとつひとつのコマがもうトレンディドラマじゃん。北条先生の絵がめっちゃくちゃ綺麗で、眺めてるとぽ〜って気持ちになる。

 

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この香ちゃんの目線のはずし方とか、超〜〜きわちゃんですね。かわいい。食べたい。

 

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こっちは「ああ、さきぴ先生この顔してたよなぁ……」な獠ちゃん。ひめくりりょかおカレンダーとかいうスーパー可愛いものもゲットしたので、楽しく時を刻もうと思います。