愛し抜くぞ2023
明けましておめでとうございます。
思えば2022年は、年明けから10日も心休まる日がない1年だった。
『ODYSSEY』が全公演中止になり、そのまま再出港を待たずして退団していった人を見送った。ご贔屓の組替えが発表になって、2週間後には月組へ異動になった。休演で贔屓のいない『Gran Cantante!!』を目の当たりにして、空いたポジションを泣きながら見つめた。大好きな大好きなトップコンビの娘役さんが単独退団することになった。12月25日なんて一生来なくていいと思っていた。
ほとんどが雪組に関わるニュースで、どれだけどっぷり浸かっていたのかを思い知る。トップスターの咲ちゃん(彩風咲奈さん)は「激動の1年」と表していたけれど、私にとっても喜怒哀楽のすべてを最高出力で使い果たしたような1年だった。辛くて、辛くて、でも救われて。戻りたいとは言えないけれど絶対に失うことはできない毎日を過ごす中で、自分にとって何が感情を突き動かされるほど大切なものなのか痛いほどわかった。
見つけた大切なものをどれだけ素直に、惑わされずに愛し抜けるか。2023年に続く、命題だと思っています。
2022年の観劇まとめはチケットをかき集めるところから始めなければならず(2021年の下半期分すら終わっていない)、もはやいつになるのか分からないので印象深い作品のなかでも選りすぐりのむちゃくちゃ頑張って絞った3つ……。
・モダンスイマーズ『だからビリーは東京で』
主人公がおそらくコロナ禍で大学の卒業式がなくなった同い年。演劇によって人生をめちゃくちゃにされ、どうしようもない親を通して自分の不甲斐なさと向き合う共通点まで私自身でしかなくて、自分ですら触れたことのない心の奥底の何かをグッチャグチャに引き出される。静かであたたかでメソメソしながら帰った。
・雪組『ODYSSEY』
悲願の再出港で、きわちゃん(朝月希和さん)のプレさよなら。思い入れもひとしおだが、それを差し引いても毎秒が最高で最高で端から端まで全部が宝物。18日間、ひたすら新幹線で通いまくった。大好きだった。ぶっちゃけ演者が変わっても好きとしか思えない演出・構成で、しかもさききわあさトライアングルだったなんて、震えるほどの運命である。大袈裟でもなんでもなくいつまでもあの夏が甦る。忘れないよ。
・雪組『朝月希和サヨナラショー』
演出家が退団しようと、彼の「手抜きでいいよ」発言が本当だろうと、私にとっては最後に輝かんばかりのきわちゃんが観られたこと、さききわちゃんがコンビを組んだ思い出が詰まっていたこと、決して代えようのない奇跡みたいな15分だった。心底ざまみろと思っている。愛のおかげで最高傑作になったわ。愛してるよさききわ。
雪組の千秋楽が終わった翌日、12月26日からは仕事に行く以外何も手につかなかった。観劇にも行かず、本も読まず、映像も観ずの5日間を過ごすなんて一体何年振りだろうと思う。ご贔屓の有沙瞳ちゃんが「そんな時はとことんダラダラゆっくり休む! そしたらいつも、何かしたい!! となってきます笑」と池田泉州銀行さまの神企画・通称 池銀茶で言っていた通り、31日には舞台が観たい気持ちに戻ってこられたのでちょっと安心した。『ショー・マスト・ゴー・オン』の配信とともにゲラゲラ笑ってて年越しできたので良かったです。
2023年はオデの振り付けをされていて大好きになってしまった森優貴先生の公演やバレエ、舞踊がもっと観たい。おそらく感覚が言語優位であろう私にとって、動きひとつ仕草ひとつで芝居が構築されていく体験は本当に面白くて、新しい世界が開くようだった。
愛し抜くぞ2023(ちょっと冴羽っぽくて照れるね)。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
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