私が生きてこなかった人生

ためらわず踏み出してゆくわ

新しい年に新しい夢ーー明治座『New Year's Dream』

ブログを読んでくださっているみなさま、明けましておめでとうございます。おめでたいはずの年明け早々から、公演が中止になってしまうかもしれないと毎日をひやひやしながらお過ごしの方が多かったかと思います。私もその1人でしたが、なんとか無事に予定通りの観劇初めが叶いました。明治座の『New Year's Dream』です!

 

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一昨年の『Summer Night's Dream』に続く玉野先生演出、明治座主催の今作。前回はみちふうが姉妹のような「Let It Go」のデュエットを披露し、私の中で元トップコンビの枠が華麗に壊される革新的な瞬間が訪れました。

  

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そして今回もそれに匹敵するようなサプライズが。何とあの名作!月組『THE MERRY WIDOW』の一場面が観られました〜〜〜!みちこさんファンとしてはこの大ニュースに尽きますが、公演全編を通しても本当に楽しかったです。

 

メリー・ウィドウは私が実質2つ目に観た宝塚の公演で、大好きなみちこさん(北翔海莉さん)の主演作、相手役もこれまた大好きなゆうみたん(咲妃みゆさん)という思い入れのある作品。当時観たのは録画だったので圧倒的にお芝居と歌のお上手な、しかも声の相性までぴったりなお二人のオペレッタが生で観られたらどんなに良いか…そうずっと思っていました。DVDすら出ていない、貴重で、伝説のようでもあったメリー・ウィドウ。その表題曲「MERRY WIDOW WALTZ」がこうして7年振りに蘇るなんて、歴史に刻まれる一大事ですよ!劇場でそれに立ち会えて心底嬉しかったし、未だに観たのが信じられません…。だって振りまで付いてたんだもん。一曲終わって後ろに捌けるときまで完璧にデュエダンだったんだもん。お互いに柔らかく包み込むような歌声、眼差し、手振り。夢にまで観たみちみゆがまさか2021年にやってくるとは…。また、曲の前説でみちこさんの方を向きながら、ニコニコニコニコお話ししているゆうみたんがほんっとうに可愛くて!話の最後に「うふふ♡」ってなんて言ってるときには目にさえも入れたくなった。ゆうみたんフワッフワで絶対に痛くないと思う。宝塚で組んでいた方を観ると不思議なのが、デュエットをやるとなるとその曲以外のお話しの仕方とかも当時の男役、娘役時代に近づいてしまうんですよね。染み付いたものってすごい。

 

そして、ザ・宝塚!!を完膚なきまでに見せつけたみちみゆも1幕ではコントをやるのが玉野作品。薩摩弁で捲し立てるオカンみちこと、たった今電話で婚約破棄された娘ゆうみの親子が、相手方に殴りにいこうと「YAH YAH YAH」を歌うなんてお腹がよじれるほど笑った。ガチンコナンバーとコントの温度差が痛快なんです!

 

他には、圭吾さんと新納さんが踊っていた「Nowadays/Hot Honey Rag」がとっても良かったなぁ。シカゴでもあの2曲の流れが大好きで!ヴェルマとロキシーのショーを観ているときの気持ち良さがそのまま溢れ出した場面だった。元々は女性同士のナンバーを男性が演ってもフォッシー独特の素敵さは不変!!とりわけお二人は結婚相手を殺してもそれをセクシーな魅力に変換できそうなタイプですし(笑)本当にぴったりでした。

そのまま後ろの幕が開いて、玉野先生以外が出演する「All That Jazz」に移行するのも良かった〜〜!ダンスナンバーになると新納さんが初代トートダンサーだったことを思い出します。腕や背中の動きが人間技じゃなくなる。ゆうみたんも在団中よりさらに踊ったときの体のラインの美しさが増してて感動した。他の出演者の皆さんも前に観たときより明らかに声の音圧が増していたり、音域が広がったりしていて、コロナ禍で舞台が厳しい状況に置かれていた中でもお稽古に励み、さらなるパワーアップを図っていらっしゃったのだろうなぁと感銘を受けたのでした。

 

ということで、コンサートであり、ショーであり、お芝居であり、コントである玉野先生らしい盛りだくさんの本作!「皆さんにも当時のことを思い出してもらえれば」なんて思い出の作品の一曲を入れてくださる客席への優しさ。例えば、昨年出産されたみちこさんに「こんにちは赤ちゃん」を歌う場面を作って、そのまま大野さんの主演ドラマの場面も入れてくださる出演者への優しさ。そういった心遣いに溢れた玉野先生の構成が大好きです。おまけに振り付けも演出もこなして、あんな素晴らしいタップまで観せてくれる!玉野先生は演出家界の実家だと思ってるし、先生の作品はおでんみたいにあったかくてホッとできて、いろんな具材が楽しめる。そういう型にはまらないジャンルだと思っています。ジャンル玉野和紀!!

 

毎日が綱渡りのようなギリギリの状況でしたが、2021年がこんなに楽しい舞台で始められて良かったなぁ。懐かしさと新しい嬉しさとで胸がギュウギュウいっぱいになっています。

 

ふづきふみ観劇アワード2020

2020年も残すところあと数時間。みなさまいかがお過ごしですか?今回は大晦日にふさわしく、今年こそは何としても!絶対に!やりたい!と思っていた「ふづきふみ観劇アワード2020」を発表いたします〜〜!

対象作品は2020年に私が観劇した以下の44作品。

 

『El Japón-イスパニアのサムライ-』『アクアヴィーテ!!』『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ』『フランケンシュタイン』『bear ーベアー』『CHESS THE MUSICAL』『Les Miselable』『Thriller Live』『Wicked』『Matilda』『ねじまき鳥クロニクル』『ONCE UPON A TIME IN AMERICA』『眩耀の谷 〜舞い降りた新星〜』『Ray -星の光線-』『リトルマーメイド』『赤と黒』『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』『アナスタシア(梅芸)』『BLUE RAIN』『アラジン』『マンマミーア!』『Defiled-ディファイルド-』『ライオンキング』『キャッツ』『VIOLET』『コーラスライン』『フラッシュダンス』『Gang Showman』『All My Sons』『生きる』『ビリー・エリオット』『はいからさんが通る』『リチャード二世』『秒速5センチメートル』『パッション・ダムール -愛の夢-』『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』『ピガール狂騒曲』『35MM:A MUSICAL EXHIBITION』『イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出作品上映会「じゃじゃ馬ならし」』『フリー・コミティッド』『NINE』『ビューティフル』『エル・アルコン-鷹-』『アナスタシア(宝塚歌劇団宙組)』

 

厳しいコロナ禍といえども沢山の素晴らしい演劇に出会えた今年。1年の締めくくりに張り切って振り返ってまいりましょうー!!

(以下、一部ネタバレが含まれますのでご了承ください。)

 

 

★作品賞★

劇団四季コーラスライン

はちゃめちゃに楽しみにしてチケットを取ったのに、その期待さえも遥かに超えてくれた本作。舞台に立つ仕事の尊さがテーマのバックステージものに見えて、全人類に対して「一人一人が特別であること」を説いている巧みな構造が秀逸。オーディションを通して人そのものを描くことに全振りしている珍しい作品だからこそ、さまざまな半生を抱えた登場人物たちの誰かがフックになって「自分はこの作品に出会うべきだった」と思わせてくれるような気がする。幼少期〜思春期の悩みや生きづらさってどんなに大人な人だろうが、過去に一度は向き合わざるを得なかった普遍的なテーマなんですよね。そして壮年期だからこその不安も誰しもがいずれは通らなくてはならない。予定外の追いチケを2回した上でもまだ追いかけたい気持ちなので、ぜひ全国ツアー後には自由劇場に帰ってきてくれたら嬉しいなぁ。そのときはそこら中にダイマして友達たくさん連れて行くぞ!!

 

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宝塚歌劇賞★

雪組『パッション・ダムール -愛の夢-』

カチャ(凪七瑠海)さん主演のバウコンサートが私の中選ぶ宝塚年間最優秀作品!友人・たゃたゃに「絶対に好きなタイプだから観な!」と言われ、彼女がチケットまで取ってくれたので(スパダリかな?)元はというとノーマークだったのだけれど、これがとんっでもなく良かった。岡田先生の描くレビューって「美しい」の幅が際限なく広いじゃないですか?あの豊富なバリエーションを全部余すことなく見せてくれるような構成で、終演後はお腹いっぱい大満足になれる。そしてどんな場面にも完璧に応じ、色づいていくカチャさんの安定感が素晴らしかったし、そこについていくまのみー(眞ノ宮るいさん)やアガタセン(縣千さん)たち雪組生もとても頼もしかったです。ショーやレビューって出てくるスターさんを知っていないとささーっと流れてしまいがちな難しさがあるけれど、たとえ贔屓が居なかろうが、下級生ばかりだろうが、最初から最後まで全力でのめり込める夢のような世界でした。

 

★主演男優賞★

成河 (『ねじまき鳥クロニクル』『ディファイルド』『35MM: A MUSICAL EXHIBITION』『フリー・コミティッド』)

もう言うまでもないですが、主演男優賞は間違いなくこの方です。大好きな王です。成河さんの一番すごいところは「成河さんのお芝居が観られる!嬉しい!」と期待して劇場に行っているのに、お芝居の最中に一切ご本人が透けず、役そのものでしかなくなってしまうところだと思う。役としてのみで150%の満足をさせるって、演劇に対しても、作品に対しても、観客に対しても最強の愛があるからこそできることだよなぁと。

主演じゃないものも含めて今年の出演作は『ねじまき鳥〜』が身体的な表現、『ディファイルド』は朗読、『violet』はミュージカル、『35MM』はソングサイクル、『フリコミ』は1人38役。常に新しいアプローチが求められる作品ばかりのなかで、毎回その表現の中での最高値を叩き出し、軸はお芝居から決してブレない。どう考えても超人。「この人の作るものになら一生ついていけるわ」と舞台上のパフォーマンスだけで信頼できます。

 

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★主演女優賞★

神野三鈴 (『All My Sons』)

去年は読売演劇大賞の最優秀女優賞を受賞された神野三鈴さま。私は今年もこの方を選びますよ〜!とある秘密を抱えた家族の母であるケイトは、弱く脆く、絶望のなかで死んだように生きているように見えるけれど、彼女の内側には誰よりも熱い血が流れていて、絶対に離すまいと命の手綱を握っている人物。あの強さと弱さ、執着のなさと強欲さ、背反するはずのものが同じ人の腹の中に収まっていること。物語の最初と最後では全く印象が異なる狂気的なほどに複雑な内面を持った彼女を、一本の細いピアノ線が張り詰めているように終始一貫して演じられるのは神野三鈴さましか居ないんじゃないかとさえ思う。観ているこっちがどんどん身を削られるような凄まじい熱演でした。

物語のラスト、それまで社長や父親としての威厳を見せ、生命力の象徴のようだった夫のジョーが自ら命を絶ったとき、ついにケイトは生への凄まじい執着を見せるんですよ。横たわるジョーの亡骸と、その隣で「生きるの…!」と力強い眼差しで息子に説くケイト。あの2人の立場が入れ替わる象徴的な場面が頭にこびりついて離れないです。

 

助演男優賞

月城かなと (月組『ピガール狂騒曲』)

まず「宝塚の男役は女性だよね?」という話なのですが、それだと女優賞がとんでもない激戦になってしまうので舞台上の性別で許してください…!月城さん、またの名をれーこてぃんがピガールで演じたシャルルはありがちな頭の硬いおじさんに見えて、ものすごく不器用で純粋で優しい人。そこが彼の周りから人が離れず、トップスターの演じるヒロイン(???と思ったら方は是非本作を観てください)さえも恋してしまうわけなのですが、あの人間らしいぬくもりが宿ったシャルルおじさんが観るたびに可愛くて思えてしかたなくて。丁寧な芝居によって愛されるキャラクターに磨きがかかっているのが本当によく伝わってきたし、"狂騒曲"の名の通りひっちゃかめっちゃかなコメディーを作品としてまとめ上げた一番の功労者は間違いなくれーこてぃんのシャルルじゃないかと思います!

れーこてぃんのなんでもそつなくこなせてしまうところは、「宝塚」という応援システムの中ではある意味、損になってしまうのかもしれないなぁと思っていたのですが、本当に要らぬ懸念でした。大変申し訳ありませんでした。上手い人は上手いのなかでも圧倒的成長を見せるんですね……。

 

助演女優賞

池田有希子 (『BLUE RAIN』)

舞台が再開し始めたころ、約3ヶ月ぶりに観られたお芝居が『BLUE RAIN』。そこで出会ってしまったのが池田有希子さん。久しぶりの劇場にドキドキで観に行ったのですけれど、池田さんの芝居の上手さ、歌の上手さに正直きたーーー!と思いました(笑)これだよーーー!って!!

エマは大富豪の家の家政婦で、因縁を抱えた彼ら家族の過去と今を結ぶことができるキーマン。その役割を温かく、そして真心を持って演じられているのがとても印象的だった。冷え切った家庭を一番に救おうとしていたのはエマで、だからこそ家庭内の確執にも巻き込まれてしまうのだけれど、物語において救いになるような存在感があまりに心地良くて他の作品で他のキャラクターを演じられている姿が想像できない。今のところの私の中では、ガッチリ「池田さん=エマ」。脇役としてお芝居を締めながら、ここまで深く印象を残すってなんて難しい匙加減なんだろうと思う。それを叶えてしまうのが上手いってことなんだろうなぁ。余談ですが、去年『組曲虐殺』で観た神野三鈴さまにも同じような感想を抱きました。あのときは瑞々しい「ふじ子さん」でしかなかったのに…。

 

★新人賞★

夕陽真輝 (星組『エル・アルコン-鷹-』)

羽龍きよら (月組『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』)

夕陽まっきーは裁判の場面の裁判官役として数フレーズ歌い喋っただけで、声が良いこと、歌が上手いこと、口跡が良いこと、芝居が上手いこと、全てを証明してしまったのが本当にあっぱれ。上手すぎて「あの裁判官役は誰だ!?」とそこら中のオペラが上がっていたのがちょっと面白かった。

続いてきよらちゃんもプロローグの数節をソロで歌っただけで、下級生とはとても思えないほどの美声を知らしめていたし、その後も後ろの方にいる所作が綺麗な娘役さんを確認するたびに見つかるのはきよらちゃんだった。

お二人とも今後の活躍が本当に楽しみです!!

 

脚本賞

Defiled-ディファイルド-』

爆弾を仕掛け図書館に立て篭もる司書ハリーと、彼を止めようと説得を試みる刑事ブライアンによる二人芝居の朗読バージョン。配信も含め成河さんハリー×中村まことさんブライアンの回を2回、成河さんハリー×千葉哲也さんブライアンの回を1回観劇。同じ脚本なのに、毎回全く違う物語が観られる柔軟さがとにかく面白かった。ハリーが本当に自分ごと図書館を爆破したいと思っているのか、どんなトラウマを抱えているのか、ブライアンがどういうつもりで説得に臨んでいるのか、この2人は緊迫した会話を通してどういう関係になったのか、そして「今日のハリーはここがキーだな」と彼の特徴を掴めるセリフですら観るたびに違うので、脚本自体に相当のフックが仕掛けられていると思われるし、そもそもたった70分でハリーの性質、過去を見せ、死ぬ理由まで辿りつかせるのが凄すぎる。私が特に好きなのはハリーがブライアンの奥さんと電話をするシーン。劇中で初めて2人以外の人物が会話に入ってくるのですが、ハリーにとって損得関係になく、お互いに危害を加えられない、物理的な距離も遠い他者が入ってくることによって、ずっと臨戦体勢だったところから急に通常モードの態度や喋り方を観られるのが本当に面白い仕掛けだなぁと!!しかもその通常モードが成り立っているのは電話の相手の夫であるブライアンに銃を突きつけている真っ最中だからというのも天才的だと思う。物語の構造がしっかりしていると、演技のプランでここまで遊べるんだ!という驚きすらある作品でした。

 

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★翻訳賞★

『フリー・コミティッド』

こちらはダブルミーニングと翻訳あるあるな問題を解決したマジカルフレーズ「めいっぱーい、手いっぱーい」による堂々の翻訳賞受賞。詳しくは下にある昨日更新のブログをご覧いただきたいのですが、この翻訳は福沢諭吉以来のの快挙じゃない!?と思っているし、翻訳を担当された常田恵子さんはもちろん、演じ手である成河さんも翻訳に関わられていたようで(きっと演出の千葉さんも入られているよね?)そういうところだよフリコミチームの信頼感がとてつもないの〜!とも思っている。本当に仕事が丁寧すぎてすごい。

もう一作品言及したいのが詩森ろばさんによる演出・訳の『All My Sons』。パンフレットの中で、元々のアーサーミラーの戯曲ではケイトについては"Mother"としか記述がないのを、ケイトという1人の人間として訳すことにした、と仰っていて。50年代のアメリカにおける男尊女卑、家父長性の色濃さにも驚いたが、それを現代の感覚とすり合わせ、さらにはケイトをはじめ作中の女性たちをどう描くべきなのか、明確な意思を持っておられるのが素晴らしいなと思った。そういう意味ではフリコミも「なぜわざわざ翻訳してまで日本で上演するのか」という見て見ぬ振りだってできてしまう疑問にきちんと答えを出し、意思を持って翻訳・演出がなされている。はっきりとしたビジョンを持って作られている作品には自ずと惹かれてしまうのだなぁと実感。

 

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★楽曲賞★

『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ』

遥か遠い遠い昔のことに感じられてしまうようで、上演は今年の初めだったシャボン玉。作品のテーマが廻ること、輪廻だったように、楽曲も同じメロディーが違う場面で再び使われる。モチーフやリプライズによって音に結びついたイメージも思い出させるという手法やはミュージカルらしくて大好きなのだけれど、まさか日本の作品でこんなにもその効果を活かしきった例があるとは思わなかった。ゆうあんちゃんがお佳代への愛を歌う「わからないでしょう」と、その後辛く過酷な運命によって彼と離れ離れになったお佳代が歌う「あなたはいない」。2人のお互いを何より大切に思い合う気持ちが同じメロディで歌われると、どんな言葉よりも胸に訴えかけてくるものがあった。それでいて独立したそれぞれの曲にもちゃんと聞こえてくるのが素晴らしいと思う。歌詞についても「ワンダフルデイ2」は日本語では聞いたことのないレベルで押韻しまくりです。ハーモニーも美しく、どこから切り取っても面白くてすごい!

 

★装置デザイン賞★

『Matilda』

卒業旅行でロンドンに行った際に観劇したのがマチルダ。虐待を受けている子どもと虐待されて育った大人が主役であるかなり社会派な内容。なのにエンタメ性が高く楽しい感動作に仕上がっていて、たとえ英語がさっぱりだとしても子ども心をくすぐられるような演出と装置を観ているだけで楽しいだろうなぁと!常設の劇場でないと難しそうなびっくり箱のような仕掛けがたくさんなので、やはりロングラン作品は装置も強いなぁと感じた。

 

★衣装デザイン賞★

星組『Ray -星の光線-』

一番好きなのはプロローグ頭でことちゃん(礼真琴さん)が着ているお衣装。ハードかつギラギラなパープルとシルバーとブラックがとてつもなくお似合いで、トップスターを誰よりもカッコよく見せるとは…という美学が詰まっている。ずっと95期主席の看板を背負ってきた、でもトップになったばかりの若々しい勢いだって負けていないことちゃんのお披露目が最高に似合うお衣装で始まってなんだか自分で想像していた以上にとても嬉しかった。新調以外のお衣装も含め、色合いや場面ごとのコンセプトがとても生きていたのもポイント!霊鳥の極彩色のイメージとチャイナも堪らないし、You Are My Sunshineで青ドレスの娘役がズラーっと並ぶのも煌びやかで見目麗しい〜!

 

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★照明デザイン賞★

月組『WELCOME TO TAKARAZUKA -雪と月と花と-』

幕開きからチョンパに始まり、切なくも瑞々しい雪の場面、美しく荘厳な月の場面、華やかで軽快な花の場面。全てにおいてライティングが登場人物の一人として物語を作っているようでとても良かった。照明によって作れる表情って明るさだけでなくて、暗さや影にこそ表れるんだなぁと。監修を務められた玉三郎さんのこだわりをじっくり聞いてみたくなる。「美しさ」を体感したいときに立ち返りたくなる作品。

 

★演出賞★

ねじまき鳥クロニクル

★振付賞★

ねじまき鳥クロニクル

村上春樹の長編小説をインバルピント演出で舞台化した作品。想像でしか成し得なかったはずの、日常の裏側に潜む異質で、魅惑的で、どこか不気味な怖さもある世界。それが目の前にあることにとんでもなくゾクゾクしてしまった。文学的な要素と身体的な要素がドロドロと混ざり合っている不安定さが心地良く、でもそのままずっと観続けていたらあの世界に引き込まれて二度と帰っては来られなくなりそう。変化に富んだ演出と振付がとにかく飽きないので、またもやその中毒性が恐ろしいというか…(笑)正直全部のシーンが視覚的にも楽しいのですが、私は特にクミコとクレタにダンサーさんが扮してるソファーの場面が大大大好きです。この作品は特に観ていない人には感覚的に伝えるほかないところがあるのでいつか再演してほしいなぁ。とってもとっても好きでした!

 

番外編 ★配信賞★

オペラ座の怪人 25周年記念公演 in ロンドン』

観劇スタイルの変化という意味では一番大きな要素だったかもしれない「配信」。いくら客席で観るのと違うとはいえ、この時代にこれがあるかないかはとてつもなく大きな差だったと思う。私もありがたいことに配信のみの場合は割とポンポン観られていて、その中でも一番興奮できたのがALW翁によるShow Must Go On!で配信してくれたこの作品。家のパソコンで観ていてもあまりの迫力と素晴らしさに本気で号泣した。

ただし世界的な有名作の記念公演なので上演されていたときの規模はもちろん撮影の環境、映像化の予算のかけ方はケタ違い。映像や配信にするとどうしてもそこの部分で差がついてしまうし、作品自体以外の部分でクオリティーに違いが出るのは厳しいなぁと思う。全部が全部NTLiveみたいに快適に観られたら素敵だけれど、あの映像を作るには50万ポンド(7000万円相当)が必要だなんて凍りつきますよね…。うーん、難しい。

話は逸れましたが、この公演が素晴らしく、映像でも生で観ているかのように感動できるのは間違いないので、ぜひDVDなどでご確認ください!来年にはラミン、シエラ、ハドリーが揃うコンサートも日本で開催予定ですよ〜!

 

 

ここまで約8000字、長らくお付き合いいただきありがとうございました。トニー賞を参考に部門を設定してみたのですが、あくまで一番だと思ったものをそれぞれ選んでいるだけなのでまだまだ他の作品についても喋りたいぐらいです。本っっっっ当に1年間楽しかったなぁ。今年はこれらの部門を書くだけでまあまあ切羽詰まってしまったので、フライヤー部門だったり、セリフ部門だったり来年はもっともっとジャンルを豊かにしていけたら嬉しいですね〜。ここで宣言しておけばきっと365日後に実現されると思う…(笑)

 

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東京宝塚劇場に今後の公演のポスターが一切なかった今年らしい一枚…

 

笑って笑って面白い作品、素晴らしいと胸を打たれる作品、たくさん涙を浮かべてしまう作品。それらに劇場で出会えることがいかに幸せか、身をもって味わせてくれた2020年に感謝して2021年にエスケープしたいと思います。この置き土産がちゃんと書き終わって本当にホッとしているよ〜。みなさまも良いお年をお迎え下さい!私は日付が変わるその瞬間も大好きな友人たちとギャーギャーお喋りしながら映像で演劇を観ている予定です!

 

めいっぱーい!手いっぱーい!の愛をーー『フリー・コミティッド』

とうとう年内最後の観劇レビューです。11月後半を共にしたこの作品で幕を閉じたいと思います、フリーコミティッド!

 

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成河さんが38役(この再演では演出変更で何役か減っているらしい)を演じられる大変ボリューミーな一人芝居。マイ初日の観劇で私の頭の中もいっぱいいっぱいになり、その日はYouTubeに載せられている海外の方が演じられたバージョンも夜更かししてまるまる観ました。で、とんでもないことに気づいたのです。劇中何度も印象的に出てくる「めいっぱーい、手いっぱーい」という主人公サムのセリフ、つまりはこの作品のタイトルでもある"Fully Committed"というフレーズの訳なのですが、なんと英語版では"Fully committed."とサラッと、他のセリフと同じようにサラーっと流れるように言われているのです。お芝居を観た方、めちゃくちゃびっくりしませんか!?印象に残りすぎて「私でさえリズムに乗りながら手振りと一緒にできちゃうよ!?」と思いませんか!?もしかしたらあの動画より後に上演されたブロードウェイ版はまた違うのかもしれませんが、あまりの衝撃にもう本当にびっくりして、びっくりしてこんなツイートまでしてしまいました。

 

 

翻訳劇を観ていてせっかくの英語のリズムが崩れちゃうよな〜もったいないな〜みたいなことって割としょっちゅうあるけれど、「めいっぱーい、手いっぱーい」に関しては翻訳の方がリズムも出るし作品にまた一つコメディのエッセンスを追加することにもなっている。これほんっっっとすごいことですよ!偉業!翻訳は決して直訳じゃないと大学のころから耳が痛いほど聞いてきたけれど、意訳で原作を上回れることもあるんだ〜って新しい世界を見たようでした。しかも「めいっぱーい、手いっぱーい」を聞いた時点ですぐに"Fully Committed"ってことか!と頭の中で結びつかないのもすごい。「フルコミットする」ことと「(物語の舞台であるレストランが)満席である」こと、2つの意味がかかったフレーズの翻訳を一気に解決したのもすごい。翻訳のゴールは原語で観ている人と同じように楽しめることだから、観客がストーリーを追っているときに余計なことを意識させては負けだと考えています。その勝負にも圧勝した類稀に見る美しい訳なので、この部分以外も元の戯曲を読んで頭の中の日本語と照らし合わせたい。はぁ…うっとりした……。

 

ニューヨークあるあるな登場人物たちの特徴はもちろん、話の大筋についてもアメリカらしい"Victory"の物語から日本でやる意味を持たせるためにサムの成長のお話に軸を変えたとのこと。サムの成長というのは、周りからの鳴り止まない要求に応えていくだけではなくて、自分の欲も出したり、自分自身から選択したり、そういうことができるようになったことだと私は感じました。成河さんはサムの成長を「清濁併せ呑む」と表現されていたけれど、コネを使うとか、お金と引き換えにするとか、そういう選択だって自分の手で選べるようになったのが大きいのではないかなぁと。もっとわがままにだってなっていいし、サムの思うように自由に振る舞ってほしい。だってそっちの方が幸せだと思うから。自分自身にも一生懸命すぎるぐらいフルコミットしてほしい。ちなみにアフタトークやパンフレットでのお話を踏まえるとより初演の演出意図はこちらに近かったのかなぁと思った。前回は"アングラ"で"Noが言えるようになる成長"のタイプ、今回は"軽やか"で"清濁併せ呑めるようになる成長"のタイプらしい。同じ台本なので、もちろんどちらも要素として含まれてはいるのだろうけれど初演も観てみたかったな〜。とはいえ「究極のソーシャルディスタンス」の実現のために棚ぼたで今年フリコミが上演され、それを観られたことは本当に幸せなことでした。

 

そして翻訳や上演意図をはじめ、ここまで作り手の方々の誠実さが目に見えて、身に染みる作品というのは初めてだったかもしれません。本気で信用できるとはこのことかと。もっと言うと1人38役というとんでもない作品なのに、俳優ひとりとスタッフさんで実現させるなんて凄いもの観たわぁの感想が一番最初に出てこないんですよ。あくまで物語自体の話とか、作品の一要素とか、そういういつも通りの感想しか出てこない。パフォーマンスを見せるわけじゃなくて、芝居としてサムの成長を見せる。当たり前のことかもしれないけど、それでいてとても難しいことをさも平然と観客に与えてくれる。その誠実さに返せるような感想が今ちゃんと書けているのか、ほんの少し緊張すらしているのですけれど、誠実な作り手による愛のこもった温かい作品をプレゼントしてもらえて心から嬉しかったです。なんだか舞台の上手端にいるほんのりとした明かりに照らされたサンタさんが目に浮かんでしまう…。この酸いばかりを噛み続け、それでも前に進むこと選んだ1年の最後に表れた希望の光そのもののようでした。

 

血に生き、野心に生きるーー星組『エル・アルコンー鷹ー』『Ray -星の光線-』

11月某日(?)観てきましたよ!めっっっっちゃ楽しみだった星組のエルアルコン!

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あのぶっちぎりでカッコいいとうあす様の初演に引けを取らないぐらい良かったと感じた。何より私はサイトー先生(以下、愛を込めてヨシマサとお呼びする)の描くザ・少年漫画っぽい男役ととても相性が良くて、さらにヨシマサの思うことちゃん(礼真琴さん)像とも極めて相性が良い。過去作だと『桜華に舞え』の永輝が大好きなのです。例えば王子様タイプのロミオには全くときめかないけれど、どん底への闇落ち永輝にはそりゃあもう目がハートなので、もちろんティリアンにもゾッコンですよ!本当に久しぶりに自分のド真ん中に刺さる「礼真琴カッコいい〜〜〜!!!」を体感できた。宝塚のトップとしては極めて貴重なダークヒーローに心から感謝してます。

ティリアン以外の登場人物もとにかく人間味があるというか、みんなとても純粋とは言えないところが本当に好き。ペネロープ嬢の言う「私、大きな鳥を飼ってみたいんです」とかあの無自覚かつとんでもない傲慢さにうわあ良いなぁってなっちゃう(ここで言う“大きな鳥”とはもちろん主人公ティリアンのことです)。人の意地汚いところを晒されると好きになっちゃいませんか?私は欲深く、それに対して真っ直ぐなほうがチャーミングで、魅力的で、快くて好きなんです(笑)

そして、エルアルコンといえばあの独特のセリフ回しも堪らなく好きで好きでとにかくカッコいい!あまりに耳に残って離れないし、逐一思い出しては興奮するので、一言一句確認してやろうとアンで初演のルサンクを手に入れてきました♡ ちょっとだけ引用させてもらうとこのあたりがお気に入りです。

 

心のままに生きてごらん、ティリアン、君にはそれが出来るはずだ。

 

鷹は海をめざし 海に生き 海へと還る

 

あの日私の手を染め上げた罪の色 その深紅に彩られた私の夢 その名を野望と呼ぼう

 

私も…マドモアゼルに最大の敬意と愛情をもっております。

 

で、あなたの武器は?もはや法律ではありませんな。神ですか?愛ですか?

たとえ君がどんな正義や良心をふりかざしても所詮負け犬の遠吠えだ。

 

私も知っている。私の首に幾重にもロープがかけられていることを…だが私は誰にもそのロープを引かせはしない。

 

一番好きなのはティリアンの「善良な人間を陥れることは赤子の手をひねるように簡単だ」なのだけれど、これを高笑いしながら言うトップスターなんて普通ならアウトでしょ(笑)

できれば音源も一本物のようにセリフ込みで欲しいよ〜なんて思うぐらい声に出して読みたい美しい日本語そのものだと思う。こんなにセリフそのものにハマるのはおそらくリーマントリロジー以来。青池先生の描く原作漫画はまだ未読なのですが、原作からこの調子なのかな?だとしたら天才と崇め奉りたいので、早いところそちらも確認したいところ。

 

続いて2幕のショー、Rayも大劇場バージョンからかなり違ったパワーアップを遂げていて面白かった。何より舞空ちゃん(舞空瞳さん)、みほちゃん(有沙瞳さん)を筆頭とする娘役たちのカツラの変化がまあ艶やかで!比較画像でも作りたいぐらい素晴らしい出来でしたよ。星娘たるものバーン、ドーンと押し出しは強く、ファビュラスに!梅芸に来てさらに華やかなお姿が観られて本当に楽しかったです。ご贔屓みほちゃんだけ取り上げたとしても、スピリチュアルの場面ではサイドに流していたカールの髪が短めのメッシュウルフに変わり、霊鳥の場面も細く両側にストレートヘアを垂らすチャイナ感ましましスタイリングになり…同じお衣装でも全く異なった印象になるからすごいですよね。

そして新しくなったといえばフィナーレのデュエダン!!「星に願いを」で踊ることなこ、夢々しかった〜〜〜。曲がポップなアレンジなのも、お衣装が赤と黒なのもディズニーのイメージのそのもので、またラブドリやってくれたら良いのになぁと思いました…続編、絶対に素敵だと思う。カゲコのいーちゃん(音咲いつきさん)、はるとくん(遥斗勇帆さん)も世界観にピッタリの歌唱でもう本当に良かったです。無駄なところが一つもない場面だった……。

 

話はお芝居に戻りますが、ヨシマサにはエルアルコンと同じく漫画原作で、さききわちゃんのお披露目でもある来年の『シティーハンター』を本当に本当に成功に導いてほしい。何をやったってめでたいお披露目の時点で成功ではあるのですけど、なんというかヨシマサの目指すところと世間のヅカオタが目指すところがガチッと一致してくれると嬉しいなぁ。私は「俺の思う男役のカッコイイはこれだ!!!」を全力で追求してくるヨシマサの姿勢が大好きだし、そのアプローチが上手くいったときのどハマり度は他の演出家の先生を遥かに凌ぐものがあると思っているのでマジのマジで期待してます。どうか上手くいってくれ〜〜!

 

私はあなたの あなたは私の

2020年下半期の観劇記録、またの名を2020年ありがとうエントリです♡

上半期分はこちらをどうぞ!

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7月

BLUE RAIN博品館劇場
・アラジン@四季劇場[海]
・マンマミーア!@KAAT

 

8月

Defiled-ディファイルド-@DDD
星組 眩耀の谷 〜舞い降りた新星〜/Ray -星の光線-@東京宝塚劇場 A日程
・ライオンキング@四季劇場[夏]

 

9月

・キャッツ@キャッツシアター
・VIOLET@東京芸術劇場プレイハウス 初日〜千秋楽
星組 眩耀の谷 〜舞い降りた新星〜/Ray -星の光線-@東京宝塚劇場 A日程
コーラスライン相模女子大学グリーンホール
フラッシュダンス日本青年館
・Gang Showman@シアタークリエ

 

10月

・All My Sons@シアタークリエ
・生きる@日生劇場
ビリー・エリオット赤坂ACTシアター

花組 はいからさんが通る東京宝塚劇場 A日程
・リチャード二世@新国立劇場 中劇場
秒速5センチメートル@ヒューリックホール
雪組 パッション・ダムール@宝塚バウホール 前楽
月組 WELCOME TO TAKARAZUKA/ピガール狂騒曲@宝塚大劇場 A日程
35MM:A MUSICAL EXHIBITION赤坂ACTシアター 初日

 

11月

・35MM:A MUSICAL EXHIBITION@赤坂ACTシアター 千秋楽
イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出作品上映会「じゃじゃ馬ならし」東京芸術劇場プレイハウス
・フリー・コミティッド@DDD 千秋楽ほか
NINE赤坂ACTシアター
ビューティフル@帝国劇場
星組 エル・アルコン-鷹-/Ray -星の光線-@梅田芸術劇場メインホール 前楽ほか
宙組 アナスタシア宝塚大劇場 B日程

 

12月
月組 WELCOME TO TAKARAZUKA/ピガール狂騒曲@東京宝塚劇場 A日程
コーラスライン千葉県文化会館

 

複数回のものを含め、全部で40公演を観劇しました。上半期が21公演だったので合わせて年間61公演。コロナの影響をもろともしないどころか、去年よりも約10回さらに増えた。理由としては劇場が再開してからもいつまた閉まることになるか分からないので、早めに観ておかなきゃ!の思考にはなりやすかった気がする。それもこれも実現できたのは一重にいろんな立場で頑張ってくださっている公演関係者の方、医療・福祉関係の方のおかげなので本当にありがたいことです。

 

観劇以外のトピックスとしては、目標にしていたハングルがざーっくり読めるように、英単語も12月に入ってやっと大学受験期振りに勉強を再開!とはいっても超ゆるゆるなのですが、一歩が小さかろうと積み重ねて損はないだろうと思ってます。笑 早く海外にも遠征や旅行に行けるといいなぁ。映像や配信で他の国の作品が身近になったからこそ思うところでもありますね。

 

2月の卒業旅行には敵わなくとも、下半期もたくさんお出かけできました。札幌、小樽、1年ぶりの万博公園、朱里ちゃんの卒業コンサート。ディズニーでお誕生日もお祝いしてもらったし、それなりの近さ故に知らなかったお泊まりディズニーという概念にも初めて触れて、快適さにびっくりした。

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そして、社会人としても一歩目だった今年。去年の今頃のブログを読むと「観劇との両立を頑張るぞ〜」なんて書いてあるのですが、無事にやってるよと声をかけたい。お仕事もおかげさまでイレギュラーな事態ではあるもののとっても楽しくやってます!これまた懐古厨になってしまうけど「去年はここで面接受けてたのになあ」みたいな感慨深い出来事もなかなか多くて不思議な気持ちでした。

 

総括すると兎にも角にも「何が自分を形成しているのか」より浮き彫りになった2020年。外界との繋がりを絶たねばならないからこそ、絶つことのできない部分も鮮明に見えてくるわけで。未曾有の事態だろうと関係を築き続けてくれた友人、知人、先輩方、絶対に欠かせないと思わせてくれたご贔屓方、そして演劇や劇場という存在。全部まるごと余計に大事に思えます。来年も大事に、大事に守りつつ、もっと育てていけるように。そして新しい繋がりも見つけていけるように!

まずはこのブログももっとバシバシ育てたいところです。読んでくださっている皆さま、本当にありがとうございます。とりあえず11月分は観たもの全部に対して感想を書こうと心の中で決めていて、まだ実行中なのですが残り2作品頑張ります。年内になんとか粘るぞー!

 

P.S.  (2021/1/6)

新年あけましておめでとうございます!

昨年末は残りの2作品『エル・アルコンー鷹ー』、『フリー・コミティッド』の感想を書き終え、無事に年を越すことができました!また観劇アワードなるものも初めて書きまして、私の選ぶ2020年の作品賞、主演男優賞・女優賞ほか発表しております。よろしければ読んでみてください〜!

 

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ルピシアのアドベントカレンダーを開けていくよ!6〜10杯目

ルピシアアドベントカレンダー開封日記、第2回目です。

前回の1〜5杯目はこちらをどうぞ!

  

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6. ルイボス ポワール(9226)

 

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駆け抜けていくラフランス〜♪って感じ。楽器だとヴァイオリン。ヴィヴァルディの「四季」の春が聴こえてくるイメージ。マスカットティーとか好みの人もきっと好きだと思う。爽やかなフルーツのフレーバーティーがとっても好きなのだけど、普段そこら辺のペットボトルや紙パックで買おうとするとお砂糖が入ってて甘いことが多いからストレートで飲めるのが嬉しい〜。ここまで言っといて何ですがこのお茶はグリーンルイボスで、ラフランスの香りはあくまでイメージだそうです。笑

 

7.セイロン・ディンブーラ 〜モンスーンの恵み〜(5024)

美味しいーーー!!としか言いようがない。これぞオールマイティーなお味。私は名前をよく聞くところ(アールグレイ、アッサムなど)だとセイロンが特に好みみたい。全然知らずになんでも美味しいから飲んでたよ。あちゃー。太陽をイメージするような赤茶色にお茶が出るのがとても美しい。せっかくなので写真を撮ろうと思ったのに夜のせいかうまく撮れず…。

 

8. カシュカシュ(5522)

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「カシュカシュ」とはフランス語で「かくれんぼ」のことだそう。名前の通りいろんなフルーツが見え隠れするお味とのことで、一口目からフルーツパーラに来た気分になる。クランベリーとオレンジはいそうだなぁ。香りから甘くて、ドライフルーツみたいな感じ。茶葉を見ても明らかにいろんなものがいる。

 

9. 茉莉花茶(8200)

ジャスミン茶とのエピソードといえば、今年の初めにロンドンで入った中華料理屋さんが思い出される。若いアジア人が来たということで注文の分からないところを逐一教えてくれたり、サービスのデザートまで出してくれたり、ものすごく丁寧に世話を焼き、歓迎してくれたのだ。注文したジャスミン茶も何度も何度も注ぎ足してくれて、私も友人もお腹いっぱいに満たされた。寒いロンドンでも熱々だったあのジャスミン茶ぐらい美味しかった。浸出も1分半と短いのに、濃くて味わい深い。

 

10. ラタタン(5128)

まず名前が可愛い。ラタタンって口に出すとルンルンでスキップしてる人っぽいな。今バニラビーンズ食べてるのかなってぐらいバニラの香りがする。一緒に食べていたシュークリームと交互に食べるとどっちがどっちか匂いじゃ分からないぐらい。バターが香るような焼き菓子と一緒に食べると相性がぴったりらしい。

 

焼き菓子といえばせっかく美味しい紅茶を買ったのだし、クッキー缶がお供にあればな〜と思って迷っていたのですよ。結局何を買ったと思いますか?なんと選ばれたのはディズニーでした。お馴染みユーハイム

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先日2回目のチャレンジで念願のBBに乗れまして、それで興奮してそのままお土産を買ってきたバリバリのミーハーになりました。へへへ。笑 食べ終わったら舞台写真を入れるカンカンに転身してもらおうと思います。もちろんお味も美味しくて可愛いです。紅茶とクッキーがあるとお茶の時間が楽しいね。

 

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次回へ続く……

 

君自身の、本当のことを話してくれーー劇団四季『コーラスライン』

どこかの俳優さんが語っていた印象的な言葉を覚えている。

稽古、本番、毎日がオーディションだ、と。

その言葉の言う通り、私たち観客も幕が開いた瞬間から舞台の上に立つ人たちを見極めるように観ている。誰が目を引くのか、誰が魅力的なのか。自分が求めているのは誰なのか。

そのとき捉えられる要素はごく一部で、私たちはその人の人となりもアイデンティティも知らない。その人だけの苦しみも喜びも何も知らない。でもジャッジするのだ。舞台の上に表れるものだけを信じて選ぶ。その人は選ばれる。

 

コーラスラインは幕が開いた瞬間からミュージカルのオーディション中の風景である。オーバーチュアも何もなく、オーディションは進む。私たちも観る。必要もないのについ比べて、あの人が受かりそうだなぁとか、このグループだとこの人が上手だなぁとか、頭の片隅で考えながら。ある意味とても無責任な行為だ。だから演出家のザックが「履歴書に書いていないことを話してもらおう。君自身のことを」と言って、ダンサーたちの過去の話を聞くときドキッとしてしまった。だって何も知らない。知らないままに一方的に観ているって、果たして良いことなのだろうか。舞台に立つ人だって同じ人間なのだ。決してその作品のために存在しているわけでも、コンテンツであるわけでもない。コーラスラインのキャラクターたちのように皆それぞれの人生があって、舞台を目指した理由があって、先の見えない仕事だと分かっていながら続けている。それぞれの個の人間でありながら、同じようにコーラスラインに並ぶ理由は一つ。舞台を愛しているから。この仕事を愛しているから。それだけなのだ。その思いを彼ら自身から出てきた言葉で知ったとき、同じオーディションの景色も全く違うものに見えてしまった。

 

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9/21、9/22の相模原公演

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12/24の千葉公演


この一年で舞台の幕が開けられない、劇場が閉まっている、そんな非常事態を経験したからこそ、よりキャラクターたちの情熱に呼応してしまったであろう部分もたくさんあったと思う。結局、観たいのは人なのかもしれない。煌めきとか、眩しさとか、情熱とか、そういったものがほとばしる姿や、懸命に人が手がけた何かに心を震わせてほしいんだと思う。

思い返すと、そこら中の公演が中止になる直前の2月半ば、ねじまき鳥クロニクルのバックステージツアーでもそうだった。終演後に舞台に立ってみると、ついさっきまで客席から観ていた村上春樹とインバルピントの世界はもうどこにもなくて、傾斜のついた地面と左右にあるいくつもの扉だけしか存在しなかったことに驚いたのだ。確かに出演者やスタッフはあの素晴らしく見入ってしまう異質な世界を作り上げていたけれど、全てを真正面から堪能し、入り込めるのは客席にいる私の、私たちだけの特権だったと思い知りちょっぴり震えた。

ときどき怖くなる。舞台に、作品に、心も肉体も懸けている人に向き合う覚悟が私にはあるのか。簡単に見定めて、面白いとか、面白くないとか判断していいのか。

きっと観る方にもそれなりの責任が生じるのた。舞台上に表れるもの、全部を受け止めて、そこから目で見えはしない様々なものも想像して。板の上に表れるものが全てであると同時に、その表現には何もかもが詰まっていると信じている。

 

コーラスライン、ガツンと胸を打たれて、終演後には世界がずっと素晴らしいものに感じられる作品だった。下の記事でも触れたBWリバイバルコーラスラインのオーディションを追ったドキュメンタリーを観たときの感情と驚くほどリンクするので、コーラスラインはオーディションそのもの、そして人の人生そのものなのだと思う。ダンス審査→一人一人のアイデンティティに迫る面接→再びダンス審査→合格発表→全員が輝かしい姿でコーラスラインに並ぶという構成は、なんというか本当に「ずるい」の一言に尽きる。現実そのままなのに、一番心に迫る夢を見せるんだもの。

 
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