メロディのある世界
ミュージカルじゃない舞台も楽しむようになって、お芝居に音楽を付ける意味を考えるようになった。気持ちを歌に乗せられるだとか、踊りでも表現できるとか、パパッと思いついたものがあっても究極アカペラなり、無音で踊るなりすりゃいいじゃん!と思ってしまったのである。
もっと本質的な、どうしても、どうやっても、音楽がないとできないことはなんだろう。そうぼんやり考えていたところ、素晴らしい答えが一つ降ってきた。
「違う旋律を同時に流すことで、複数の言葉が同時に喋れる(大意)」
うわ〜〜〜〜〜〜!!!絶対音楽ないと無理だ!シナプス弾けまくりのドーパミンドバドバである。
この答えをくれたのは、BHSミュージカル研究所という団体が行なっている講座であった。楽譜を使わずに、演奏や解説でミュージカルナンバーを解き明かしてくれるところが本当に面白く、作品の裏側を知りたいミュオタには心の底から受講をお勧めする。
“同時に2人以上の喋った言葉を聞かせることは、音楽にはできて、文学にはできない”
天から降り注ぐスーパーアンサーに大感謝。
私は以前からこの「複数の旋律で歌う」というのが大好きで、中でも人数が多めな四重奏なんてもう堪らない。例えば「ラブネバーダイ」で再会を祝うクリスティーヌ&ラウル夫妻とメグ親子が歌う"Dear Old Friend"や、「アナスタシア」のバレエの劇中劇の場面で歌われる"Quaret at the Ballet"が流れると、謎の血が騒いで動悸が止まらなくなってしまう。
しかし、ナンバーワン四重奏(ふみ調べ)はやはり神アランメンケン作品から参りましょう。
「リトルマーメイド」より"if only"!!!
ちょっと前までレポワゾンでひっくり返るようにゲラゲラ笑ってたくせに、アリエル、エリック、セバスチャン、パパのそれぞれの気持ちが歌われた途端、滝のように涙が流れ出る情緒ぐっちゃぐちゃナンバー。一気に4人分の気持ちの応酬で畳みかけてくるのはズルい。
先月、大阪リトマを一緒に観に行った友人・しろねこちゃんは一度に複数の旋律を聴きとるのがどうも苦手らしく「四重奏むずかしかった…」と言っていたのだけれど、昨日の講座によるとそもそも西洋由来の手法らしいので、苦手でも納得といったところだろうか。日本ではユニゾンのほうがずっとよく使われるらしい。
そして、もう一つ。よく考えればこれもミュージカルだからか…と今更ながらに思ったのは、モチーフを使ったり、曲のアレンジを変えたりとメロディを再登場させて何かを想起させる技。今、私の中では「シャボン玉とんだ、宇宙までとんだ」がめちゃくちゃにアツくて、毎日聴いてはその職人技にときめいております。同じ曲が使われても全く違う顔を見せてくれるのが本当に面白い。
答えは意外と近くにあったわけですが、絶対にまだまだあるからな〜。
新年度はそんな音楽のお勉強も、一歩ずつ〜♡一歩ずつ〜♡とやってみたいところです!
(先日訪れた鳥羽の海、本気でアリエルが居そうでした)
おわり