私が生きてこなかった人生

ためらわず踏み出してゆくわ

蝶々みたいにバタとフライーーミュージカル「BLUE RAIN」

最近は分からないことや知らないことが一気に増えた。長い学生生活を終えて社会人という今までと視点が全く違う立場になったこともあるし、生きている人類みんなが経験のない未曾有の自体に陥って、今までの普通の生活を崩されたこともある。考えごとの多い人間なので、決められた時間以外があればあるほど「これは?」「あれは?」「どうしたらいい?」そういう未解決のものが山のように積み重なって、なんとなく重荷に感じていた。すぐ忘れちゃうからとメモしたリストを見返すたびに、チェックボックスの空欄が多くてうんざりする。

 

まだ頭にははてながいっぱいついているけれど、とりあえず予定は最優先で消化する。昨日は109日振りにミュージカルを観た。

 

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カラマーゾフの兄弟を題材にした「BLUE RAIN」という作品。博品館劇場に入ったときから見たことのないものがいっぱいだった。2席ごとに取り付けられたビニールの仕切り。舞台上にも人の背丈より大きな吊り下げられたビニールが5つと、透明なプラスチックのパーテーションが真ん中に1つ。こんな設備もセットも見たことない。

 

「どうやってお芝居するんだろう?」そんな疑問はよそに、役者たちは間仕切りを巧みに使って話は進んでいく。ときには刑務所の面会室のパーテーションになり、ときには心の壁になり。最後まで見終えたときには抱いた違和感がほとんど無くなっていた。これがライブエンターテイメントをするには明らかに理不尽な状況を乗り越えるために、荻田先生と出演者の方々とスタッフの方々が考えぬいた最善の策なのだと感じた。無理。わからない。難しいね。じゃなくて、少しでも不安や疑問を取り除くために行った最大限の演出と表現のおかげで、無事に「BLUE RAIN」は上演され、私も劇場へ復帰できたわけである。

 

よく考えもせずに「うーん………」で止まっちゃダメなんだと。通り過ぎることもしてはいけないと。それが如何に愚行かということを、ここ一年くらいで急速に尊敬するようになった人が、知る限りでも散々発信していたはずなのに、自粛モードでボケッとしているうちにゆるゆるゆるゆると減速していたらしい。"自粛"は接触をなるべく避けるために外出を控えようという話だったのに、自分の生活も小さくまとまり、不規則になり、自律神経が乱れ…………あらら………

 

さすがにもうそろそろ悠長なことは言っていられない。これまた劇場でお芝居を観て気付かされてしまった。いつもいつもそんな感じで、無知に気付いては反省し、自戒し、背筋がクッと伸び、新しいものに出会えば調べる。知ろうとする。あっと驚くような未知の感情を見つけてしまうこともある。やっぱり劇場はスイッチの入る特別な場所。そして、表現って方法に限りがなくて面白いなぁと思う。コロナウイルスに見舞われても、新しい演出でお芝居が上演された。そのことを嬉しく思って、私も自分のお尻を叩く。シャキッとしましょうね、と。

 

にしても昨日は一番好きな観劇からお喋りの流れが久しぶりに味わえてと〜〜〜ても嬉しく楽しい一日でした。ありがたみを感じる久しぶりの幸せにホクホク。今後もコロナウイルスとのお付き合いは続きそうだけれど、一作品でも、一公演でも多く、お芝居が上演されますように!!!演劇は考え、頭を使い抜くものだから、きっと大丈夫なはずだと信じて。

 

おわり